「クラウドソーシングで搾取される人の意見を耳にしたけど、もしかしてブラック……?」
「クラウドソーシングを安全に使う方法はないのだろうか……」
クラウドソーシングを利用する前に、搾取や詐欺のリスクを懸念して二の足を踏むことも多いのではないでしょうか。
しかし、クラウドソーシングの安全性は徐々に高まっています。
搾取や詐欺に遭う可能性もごくごく珍しく、今回お伝えする3つの方法を徹底することで回避も可能です。
安全に利用する方法を知ることで、クラウドソーシングのメリットをより生かすことができます。
クラウドソーシングでの搾取を防ぐ3つの方法
クラウドソーシングの中には悪質なクライアントも存在し、搾取や詐欺の可能性がある案件もあります。
そのため、以下の方法で搾取や詐欺を防ぐことが大切です。
- クライアントの評価情報を確認
- 仮払い後の作業開始
- クラウドソーシングの規約や違反案件の確認
ワーカーとしては、いかに搾取・詐欺案件を見抜くかがカギを握っています。
クラウドソーシングで安心して収入アップができるよう、以下でお伝えする搾取を防ぐ3つの方法を学んでいきましょう。
クライアントの評価情報を確認
クラウドソーシングでの搾取を防ぐには、クライアントの評価情報を確認することが肝要です。
クラウドソーシングサイトでは、ワーカー側が自由にクライアントの評価を確認できます。
評価ページには、過去に発注したワーカーからの意見や感想、仕事のしやすさなどの情報が記載されています。また、途中で契約が破談になった場合もその記載があります。
上記のような情報がまとめられ、5つ星評価でクライアントの評価情報が掲載されていることが多くなっています。
高評価(少なくとも星4.5以上)でワーカーから良い意見が多いクライアントほど、搾取される可能性は極めて低くなるはずです。
一方で、クラウドソーシングに登録したばかりのクライアントには評価情報がありません。
評価情報のないクライアントは信頼性を確認できる方法が少ないため、できるだけ受注を避けることをおすすめします。
仮払い後の作業開始
クラウドソーシングでは、クライアントの未払い問題(踏み倒しとも言う)にかかわる搾取も少なくありません。
要望通りに納品したにもかかわらず、クライアントと連絡が取れなくなって報酬が支払われないケースが一般的です。
ただし、クラウドソーシングでは未払いの搾取を防ぐ仕組みも備わっています。
未払いを防ぐには、仮払いの仕組みを活用することが有効です。
仮払いとは、ワーカーが作業を行う前にクライアントがクラウドソーシングサイトに報酬を前払いする制度です。
仮に納品後にクライアントとの連絡が途絶えてしまった場合でも、仮払いが済んでいれば報酬を回収することができます。
クラウドソーシングの規約や違反案件の確認
クラウドソーシングでの搾取は報酬の踏み倒しばかりではありません。
クラウドソーシングの規約や公序良俗に反する行為に該当する案件は、搾取や詐欺にあたる可能性が高いと言えます。
よって、事前にクラウドソーシングの禁止行為や規約をしっかりと確認しておくことが大切です。
搾取案件やブラックな仕事は募集要項に魅力的な文言(初心者歓迎や簡単に稼げる等)が記載されていることも少なくありません。
搾取案件を見極める意味でも、禁止行為を知っておくことは自分の身を守ることと同意です。
クラウドソーシングの搾取事例
クラウドソーシングの搾取・搾取事例を知っておくと、いざ自分が受けようとしている仕事が怪しくないか判断する際に役立ちます。
クラウドワークスで実際に募集されている仕事を中心に、具体的な事例をお伝えします。
あまりにも低単価のライティング案件
あまりにも単価の低い仕事は発注者の信任にも欠け、搾取案件といっても過言ではありません。
上画像は、クラウドワークスで募集されているライティング案件の一つです。
報酬はなんと30記事で1,200円、1記事あたり40円という安さです。
2,500文字の分量で30記事を書こうと思うと、業務に慣れた専業ライターでも10日以上、副業の方なら1ヶ月以上かかっても不思議ではありません。
これだけ時間をかけてわずか1,200円の報酬では、仕事の対価としての正当性が欠けています。
応募文や募集要項を見ても、「未経験からスキル向上」「お手軽バイト」などの怪しい文言が多々見受けられます。
クライアントの評価も決して高いとはいえず、敬遠すべき案件といえるでしょう。
荷受代行・荷物転送
クラウドソーシングに限らず、荷受代行や荷物転送の仕事には注意してください。
荷物転送とは、クライアントが購入した商品を自宅で受け取り、別の住所宛てに発送する仕事です。
クラウドソーシングでも上画像のような形で発注されていることがあります。
作業内容は、届いた商品をそのまま転送するだけです。
荷物転送の仕事は社会的に問題視されています。
ワーカー側の氏名や住所が筒抜けになることや、ときには身分証明書などの提出も求められるからです。
自分の身を守るためにも決して仕事を受けてはいけません。
クラウドソーシングで搾取の疑いがある案件一覧
利用するサイトによって違いはあるものの、クラウドソーシングでは発注が禁止されている仕事も存在します。
ほとんどのクラウドソーシングサイトでは、以下のような仕事が禁止されています。
- 商品やサービスの代理購入
- オークションサイトやフリマへの代理出品
- 不正フォローや不正レビュー
- ワーカーの個人情報が必要となる仕事
搾取を回避するには、クラウドソーシングの代表的な禁止行為を理解しておきましょう。しっかりと理解していれば、募集要項を見た段階で怪しい仕事かどうかの判別ができます。
商品やサービスの代理購入
代理購入とは、クライアントの代わりに商品やサービスを購入する仕事です。
購入した商品を納品する形でクライアントに発送します。
代理購入は明確にクラウドソーシングで禁止されており、搾取や詐欺の対象となります。
クライアントが代理購入を依頼する理由は、自身に関係するアフィリエイトサイトなどの広告収入を増やすため、別の人に商品やサービスを購入してもらおうとします。
上記の行為は不正アフィリエイトとなり公序良俗に反していると言えるでしょう。
クラウドワークスでは以下のように規約を定めています。
以下例にあるような、当サービスの趣旨とは異なる内容の仕事の依頼を禁止しております。
<具体例>
・商品の購入や入会金などが必要となるような投稿。
代理購入の違法性については以下の記事で詳しくお伝えしていますので、事前にご確認ください。
オークションサイトやフリマへの代理出品
クラウドソーシングでは、オークションサイトやフリマへの代理出品を禁じていることも少なくありません。
代理出品とは、クライアントの代わりに販売サイトへ商品を出品する仕事です。
クライアントから商品画像や説明文などを受け取って出品手続きを行います。
代理出品が禁止されている理由は、ワーカーの手元に商品がないことから配送トラブルやクレームにつながることも多いからです。
たとえば、クラウドワークスでは以下のように規約を定めていますので、絶対に受注してはいけません。
外部サービスの規約違反など正常な運営を妨げたり、影響があるような仕事の依頼を禁止しております。
<具体例>
・オークションサイトなどの電子商取引サービスに、代理出品など手元にない商品の出品を依頼する内容の投稿。
不正フォローや不正レビュー
不正フォローとは、ワーカーにクライアントに関係するSNSのフォローを依頼することです。
わいろを使ってフォロー数を伸ばしていることになるため、決して健全な行いとは言えません。
不正フォローと似た行為として、不正レビューも挙げられます。
不正レビューとは、あたかも商品やサービスを使ったように見せかけて、販売主に有利なコメントや評価を記載することです。
純粋な感想が記載されるとは言い切れず、販売主のサイトを利用するユーザーにとっては有害となります。
上記のような不正行為はクラウドソーシングで禁止されているうえ、ワーカーとして作業に加担してしまった場合もペナルティを課される可能性があります。
クラウドワークスでは以下のように規約を定めています。
外部サービスの規約違反など正常な運営を妨げたり、影響があるような仕事の依頼を禁止しております。
<具体例>
・Facebookページのいいねを促す投稿。
・Twitterのフォローを依頼する投稿。以下例にあるような、当サービスの趣旨とは異なる内容の仕事の依頼を禁止しております。
<具体例>
・口コミサイトやブログに、ある商品またはサービスについて実際のものより著しく優良・有利だと誤認させることを目的とした内容の投稿。
・「クライアント(発注者)自身が」成果報酬を得ることを目的とする内容(アフィリエイト等)の投稿。
ワーカーの個人情報が必要となる仕事
クラウドソーシングの仕事では、ときに個人情報が必要になることもあります。
たとえば、秘密保持契約を結ぶ場合は氏名と住所の提出が必要です。
源泉徴収が行われるときは、役所に提出するためにマイナンバーを求められることもあります。
一方、搾取や悪用を目的として個人情報の提出を呼びかけるクライアントもいるので注意してください。
上記のケースでは、契約締結や確定申告のために個人情報の提出が求められます。
しかし、搾取や悪用が目的の場合は、「仕事を進めていくうえで必要になる」といったあいまいで怪しい理由のために個人情報の提出が求められるケースも少なくありません。
個人情報取得の理由が怪しいほど、不正な会員登録やサービス購入などの搾取に繋がる危険性も高くなります。
少しでも怪しいと感じれば、そのクライアントの仕事は受けない方が無難です。
クラウドソーシングで搾取案件が絶えない理由
クラウドソーシングが誕生して随分と経ちますが、なかなか搾取・詐欺案件は絶えることがありません。
クラウドソーシングで搾取・詐欺案件が絶えない理由は、以下でお伝えする3つの原因があるからです。
複数アカウントを使った再登録が可能だから
クラウドソーシングで違反行為が発覚した場合、アカウント利用停止などのペナルティが課されます。
また、クラウドソーシングを悪用するほど評価が悪くなったり、ワーカーから運営側に報告できる制度もあるので抑止力も働きます。
しかし、上記のような仕組みがあっても搾取・詐欺案件を完全に取り締まることはできません。
なぜなら、クラウドソーシングでは基本的に複数アカウントを使った再登録ができるからです。
仮にアカウントが利用停止になったとしても、別のメールアドレスを使って再登録すれば問題なく利用できます。
クラウドソーシングはIPアドレスによってユーザーを管理しているわけではありません。
本人確認が登録の絶対条件ではないサイトも多く、ペナルティを受けたクライアントでもいくつもアカウントを増やせてしまうのです。
契約を結ぶのは自己責任が基本となっているから
クラウドソーシングサイトは契約者間の仲裁役でもなければ、各々の契約に責任を持っているわけでもありません。
つまり、サイト内でトラブルが発生した場合、契約者同士の間で解決を目指す必要があります。
もちろん契約を結ぶかの判断も、トラブル発生後の対処もワーカーの自己責任です。
クラウドソーシングには発注に関する禁止事項もありますが、基本的には誰でも募集要項を作成することができます。
中にはグレーな募集要項もあり、運営側がすべての内容に関与することは不可能です。
ワーカー自身の見識不足
前述したようにクラウドソーシングは自己責任で受注を行うことが基本となっており、搾取や詐欺案件は働き手自身の目と感覚で見極めなければなりません。
よって、ワーカー自身に見識不足があると、搾取に遭うリスクや禁止行為に加担してしまう危険が増してしまいます。
搾取に遭わないためには、冒頭でお伝えした3つの約束を思い出してみてください。
- クライアントの評価情報を確認
- 仮払い後の作業開始
- クラウドソーシングの規約や違反案件の確認
クラウドソーシングは対面で仕事を行わない、信頼性を確認できる手段が限られるという事情があります。
だからこそ受注を行う前に上記の3点を徹底し、慎重を期することが大切です。
クラウドソーシングの搾取や詐欺を防ぐには見識を高めることが一番
クラウドソーシングの搾取や詐欺を防ぐには、ワーカー自身の見識を高めることが一番の解決策です。
運営側もさまざまな手法を凝らして詐欺案件の撲滅をはかっていますが、なかなかその数は減りません。
よって、運営側を過度に期待するのではなく、自分自身で搾取に遭わないように対策する必要があります。
今回お伝えした搾取を防ぐ3つの方法を徹底していれば、トラブルに遭う可能性は低くなるはずです。
むしろ、クラウドソーシングはフリーランスでも仕事を受注しやすい環境が整っています。
搾取や詐欺を過度に心配して及び腰になるのは少しもったいないような気もします。
クラウドソーシングのメリットにも着目し、上手に使いこなしていくことが大切です。
まとめ
今回は、クラウドソーシングの搾取や詐欺を防ぐ3つの方法をお伝えしました。
- クライアントの評価情報を確認
- 仮払い後の作業開始
- クラウドソーシングの規約や違反案件の確認
クラウドソーシングには搾取や詐欺案件が存在するのも事実です。
しかし、今回お伝えした3つの方法を使うことで回避もできるため、必ずしもクラウドソーシングがブラックというわけではありません。
ネット上の搾取や詐欺の書き込みを見て怖い印象を持つ場合もあるかと思いますが、まず自身で複数の仕事を受注してから判断することも大切です。
もちろん、常に慎重な行動を心掛けることがかかせません。
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