「クラウドソーシングを始めてみたいけど、難しいという意見もよく聞く……」
「クラウドソーシングでは実際にどれくらいの収入を得ることができるの?」
クラウドソーシングを始める前の人にとっては、上記のような疑問はもっともです。
スタートする前になるべくリスクや収入面の疑問はなくしておきたいと思うでしょう。
しかし、ネット上でよく目にする「クラウドソーシングは難しい」という意見には主観が含まれているため、安易に信じるのは危険です。
なかには情報発信者の勘違いというケースもあるため、十分に注意すべきでしょう。
今回は、クラウドソーシングは難しいと勘違いしがちなことを3つのポイントに分けてお伝えしていますので、せひご参考ください。
クラウドソーシングは難しいと勘違いしがちなこと
クラウドソーシングで稼ぐのは難しいと勘違いしてしまいがちな人は、次のような思い込みを抱いているケースがあります。
- 最初から稼げると思い込んでしまう
- 高単価案件の受注が絶対に必要
- ブラックな案件に対処できない
上記のような勘違いが多い理由は、クラウドソーシングを副業として始める人が多いからでしょう。
副業といえば簡単に稼げるようなイメージがあります。
しかし、クラウドソーシングで働くということはプロのフリーランスとしてクライアントの要望を叶えることであり、決して簡単な仕事ではありません。
以下を参考にクラウドソーシングの勘違いをなくしていきましょう。
最初から稼げると思い込んでしまう
クラウドソーシングで稼ぐには、何よりも経験や実績が重要です。
最初から稼げると思い込んでしまっている人は注意してください。
経験のないうちは実績を積むため、低い報酬でも我慢して仕事を行うことも出てきます。
裏を返せば、経験や実績を積むことで稼ぐチャンスが生まれやすいということです。簡単な作業をどれだけ行っても自分の身にはならないため、ライティングやWebデザイン、コーディング、イラスト作成など実績に繋がる仕事を中心に受注することがコツと言えます。
高単価案件の受注が絶対に必要
クラウドソーシングで稼ぐには、必ずしも高単価の案件ばかり受注しなければいけないわけではありません。
クラウドソーシングには低単価の仕事が多いから成功できないと考えるのは勘違いです。
クラウドソーシングでは、高単価案件よりも良い案件のほうが重要です。
良い案件とは、作業時間と報酬が見合っている、もしくは作業時間以上の報酬が出る仕事を指します。
高単価の案件はクライアントのチェックも厳しく、何度も修正依頼を受け、相当な手間と労力がかかることも珍しくありません。
予算の関係からクライアントも大量の発注を行わないため、月の受注金額でいえば微々たるものです。
一方の低単価案件は大量に発注されることも多いため、飛躍的に収入が底上げできます。
もちろん低単価案件のなかにも作業量に見合わないものもあります。
要は、高単価案件でなければ稼げないと感じる思い込みを捨て去ることです。
ブラックな案件に対処できない
クラウドソーシングにはブラックな案件が多く対処しづらい、または詐取や詐欺に悩まされると心配している場合も勘違いにあたります。
クラウドソーシングにブラック案件が多いことは事実です。
しかし、ブラック案件はワーカーとしての見識を高めることで回避できるものも少なくありません。
たとえば、ブラック案件を避ける方法として以下が挙げられます。
- クラウドソーシングの利用規約や禁止事項をよく確認する
- 評価の低いクライアントの仕事は受けない
- 仕事内容であいまいな箇所がないようクライアントと打ち合わせする
- クラウドソーシングの運営に報告する
上記のような方法を使えば、詐取や詐欺に遭う可能性は極めて低くなります。
クラウドソーシングで実際にどれくらい稼げるのか?
この記事を書いている私自身、クラウドソーシングのWebライターとして副業時代に月収10万円、専業になってからは月収50万円を達成しました。
月によって収入に変動はあるものの、十分に生活できるだけの収入を得ているケースもあることから、一概にクラウドソーシングは難しいとはいえないはずです。
ここからは私の現在に至るまでの流れをお伝えしていきます。
副業時代の月収は3~5万円
私がフリーランス活動を始めたのは、約3年前です。
手ごろな副業を探していたおりにクラウドソーシングと出会い、タスクで500文字程度の簡単な文章作成の仕事を受けたことがきっかけです。
当時はプロジェクトに応募する勇気も自身もなく、ひたすらタスクの文章作成の仕事ばかり受注していたことを覚えています。
タスクはよっぽどマニュアルに違反しない限り非承認にはならないため、数をこなして自信をつけていきました。
クラウドソーシングを始めて半年までは、平均して3~5万円ほどの月収です。
タスクからプロジェクト中心の受注に変え月収10万円を達成
プロジェクトに応募するきっかけは、タスクの文章作成の内容が発注者の目に留まり、「よければプロジェクトでお願いできませんか?」と相談されたことです。
プロジェクトはタスクと異なり複数の記事をまとめて発注してもらえるため、この時期を境目に飛躍的に収入が伸びました。
フリーランスになってから8~10ヶ月ほど経ち、収入は月に10万円ほどになっています。
専業になった後は平均30~50万円の月収
私が利用しているクラウドワークスはライティング案件が多く、本業の仕事がなければまだかなりの受注ができる余地がありました。
そこで思い切って専業ライターになる決断をし、徐々に準備を始めていきます。
専業ライターになった後は当初の予想通り仕事に困ることはなく(低単価の受注も多かったです)、月収20万円ほどを平均的に稼いでいます。
しばらくの間は20万円のペースが続きますが、クラウドワークスのプロ認定制度に認められることで様相はがらりと変化しました。
プロ認定制度のおかげでプロフィール欄が目立つようになり、スカウトや受注量が急増したのです。
そこから現在に至りますが、およそ30~50万円が現在の平均的な月収となります。
収入に波があるのは毎月新規契約を結ぶクライアントが一定数いるためです。
もう少し直接契約を増やし安定することができれば、さらに月収が伸びる余地があると考えています。
クラウドソーシング初心者のうちにすべきこと
クラウドソーシングで成功するため、初心者のうちにしておきたいことは以下の通りです。
- 標的を絞らずに数だけ打つ
- タスクよりもプロジェクトを中心に受注する
- 継続依頼案件を獲得できるようにする
- 専門領域を身に付ける
初心者の明確な定義付けはできませんが、開始からおよそ半年以内のフリーランスをイメージしてください。
初心者のうちはクラウドソーシングでの成功が難しいと感じることも多いはずです。
しかし、中級者・上級者へとステップアップしていくうちに収入は伸びていきます。
標的を絞らずに数だけ打つ
初心者のうちは、ターゲットを絞らずにとにかく数を打つことに集中しましょう。
ライティングに置き換えれば、文字単価やテーマに固執せず、自分が書けそうだと思った案件にどんどん応募するということです。
クラウドソーシングでは、誰でも作業可能なデータ入力やアンケート調査の応募も少なくありません。
しかし、簡単な作業をいくら行っても将来の実績には何の役にも立たず、永遠に価値の薄い仕事に時間を浪費するだけです。
一方の専門領域であるライティングやWebデザイン、イラスト作成の仕事は、経験を積むほど単価が上がり魅力的な仕事の受注率も高まります。
よって、初心者のうちは下積み期間と割り切って、実績集めに集中すると良いでしょう。
タスクよりもプロジェクトを中心に受注する
初心者に限ったことではありませんが、クラウドソーシングで受注する仕事はタスクよりもプロジェクトがおすすめです。
ワーカーのプロフィールページには受注件数という数字が掲載されています。
受注件数が多くなるほどクライアントの目にも止まりやすく、スカウトや受注率の向上に役立ちます。
上記の理由から、プロジェクトを積極的に受注するほうが将来的にはスカウトや受注率に大きく影響してきます。
継続依頼案件を獲得できるようにする
クラウドソーシングで成功するためには、どれだけたくさんの継続案件依頼を受けられるかがカギを握っています。
プロジェクトの契約終了後、内容が良ければクライアントから継続して仕事を依頼してもらえます。
継続案件があるだけで新規の案件を獲得する手間が減り、月々の収入も安定する点がメリットです。
クライアントから継続して仕事を依頼してもらうためには、次のような方法が採れます。
- 納品する作品の品質を高める
- 気づいた点や改善ポイントなどを積極的に提案する
- クライアントからのメッセージには早めに対応する
- 難しい要望にも精一杯応える
専門領域を身に付ける
ライターやWebデザイナー、イラストレーターなど専門職として働く場合でも、長期的な視野をもって専門領域を身に付けておきましょう。
たとえば、ライターの場合でも仕事内容はさまざまです。
なかにはリライト(既存文章の書き直し)やまとめ文章の作成といった初心者でもできる簡単な仕事もあります。
しかし、簡単な仕事ほど供給に対して需要のほうが大きいため、実績としても役立ちませんし、単価もほとんど上がりません。
一方、ライターのなかでも検索順位で常に上位を獲得できる記事を書けたり、FPや弁護士など専門分野の知識に長けた人ほど重宝されます。
単価や条件面で優遇されることも多いということです。
よって、特定の分野に強みを持てるよう意識しておくと良いでしょう。
クラウドソーシング中級者のうちにすべきこと
クラウドソーシングで成功するため、中級者になってからすべきことは以下の通りです。
- プロワーカー制度の認定を目指す
- 専業フリーランスを目指す
- 情報の発信者となることで間口を増やす
- ポートフォリオやプロフィールを充実させる
中級者は、クラウドソーシングを初めて半年から1年ほどの経験を積んだイメージです。
初心者の頃とは異なり、今度はより戦略的に行動をすることがポイントとなります。
プロワーカー制度の認定を目指す
より恵まれた案件に応募するために活用したいのが、クラウドソーシングのプロワーカー制度です。
たとえば、クラウドワークスでは「プロクラウドワーカー制度」が存在します。
プロクラウドワーカーとは
プロクラウドワーカーとは、全クラウドワーカーの中から定められた基準を満たした人だけを選抜した、仕事能力の高いプロフェッショナル集団です。
プロワーカー制度に認定されると、自身のプロフィールページにマークがつきます。
プロワーカーになるためには受注率や月々の受注額が極めて高いことが求められるため、クライアントからすれば高品質の作品を提出してくれる期待が高まるのです。
よって、スカウトが来る頻度が高まったり、単価の交渉にも有利となります。
クラウドワークスの場合、プロに認定される条件は以下の通りです。
- 納品完了率90%以上(過去1年間)
- 総合評価4.8以上(過去累計)
- 獲得報酬額が月間200位以内(過去1年間で1回以上)
- スカウト数5回以上(過去1年間)
- コミュニケーション評価4.8以上(過去累計)
- プロフィールと自己PRを入力済
専業フリーランスを目指す
フリーランスを副業で行っているか、それとも専業で行っているかによって受注率や応募に対する合格率などは雲泥の差が現れます。
もちろん有利なのは専業フリーランスです。
専業はすべての時間をフリーランス活動に費やすことができるため、作業時間が多めに確保できたり、クライアントの急な要望にも即座に対応しやすいからです。
しかし、副業の枠組みから外れたくない人は無理に専業になることはありません。
働き方は人それぞれなので、もし余裕があれば専業フリーランスを目指してみてください。
情報の発信者となることで間口を増やす
中級者にもなると、今度は自分から情報を発信することにもチャレンジしてみましょう。
たとえば、現在の活動内容をブログで発信してみたり、動画やSNSを使うことも方法の一つです。
ブログや動画などの発信媒体があると受注活動にも有利に働きます。
ブログのプロフィールページに過去の実績や仕事依頼の詳細などを記載しておくことで、クラウドソーシング以外から仕事を依頼してもらえることもあります。
中級者になってくると受注の窓口を広げることも大切です。
ポートフォリオやプロフィールを充実させる
中級者になると、今度はポートフォリオやプロフィールにも気を配りましょう。
ポートフォリオとは、過去に作成した記事やWebデザインなど、応募時にクライアントに提示するPR素材です。
クライアントはポートフォリオを見るだけである程度の品質を予測することができます。
内容の良し悪しによって受注が決まる場合もあれば却下されることもあり、ポートフォリオを充実させておくことは大切です。
過去に納品の経験がなければ、自分で一から作成した作品をポートフォリオにすることもできます。クライアントに納品する気持ちで本気の作品を作りましょう。
また、クライアントは仕事を募集するだけではなく、ワーカーをスカウトして仕事を依頼することも珍しくありません。
スカウトする際に目に留まるのはプロフィールページです。
つまり、実績や提供できる価値などを記載してプロフィールを充実させておけば、より受注の可能性が高まります。
クラウドソーシングは競争率が高いから難しい?稼ぐための受注の仕方
クラウドソーシングの競争率が高いことは事実ですが、だからといって難しいと諦めてしまうのはもったいないことです。
クラウドソーシングの競争率が高いのであれば、以下のように競争率を下げる方法が役立ちます。
- 応募文で差別化して競争率を下げる
- プロフィール情報で差別化して競争率を下げる
- 専門領域を身に付けて競争率を下げ
クラウドソーシングにかかわらず、どんな仕事でも旨味のあるものほど競争率が高まります。
簡単に儲かる仕事があれば誰でも手を出すはずです。
以下では、競争の激しい環境を勝ち抜いて受注できる方法をお伝えしています。
応募文で差別化して競争率を下げる
激しい競争を勝ち抜くには、応募文で差別化することが重要です。
私自身、これまでに何度もクラウドソーシングを使って外注を行ってきました。
たくさんの方から応募が来ることもありますが、あまりにも簡素なメッセージが目立ちます。
クライアントとしては、報酬に見合う価値ある作品を提出してくれるかどうかが応募文を見るポイントとなるため、単なる自己紹介や得意分野だけ記載されたメッセージでは心に響きません。
応募文で大切なポイントは、自分にできて他者にできないことを明確にすることです。
他者と自分の作品を比較し、自分の仕事にどのような価値があるのかを見出しましょう。
プロフィール情報で差別化して競争率を下げる
プロフィール情報も応募文と同様、自分にできて他者にできないこと、いわゆる「価値の差別化」を記載することが大切です。
応募文は受注率に影響しますが、プロフィール情報はスカウト率に反映されます。
受注率とスカウト率の両方が高まれば仕事量も安定しやすくなるため、時間をかけて作成する価値は大いにあります。
専門領域を身に付けて競争率を下げる
専門領域を身に付けることは単価や条件面で有利に働くだけではなく、競争率を下げることにも役立ちます。
たとえば、ライターの場合を考えてみましょう。
単に文章を作るのがうまいライターより、さらにSEOの知識に秀でたライターがいれば、間違いなく後者の人を採用するはずです。
なぜなら、後者の人のほうが文章をうまく書けるうえに、さらに検索順位で上位を狙いやすいからです。
高い専門知識や技術を持っているほど、受注では有利となることは間違いありません。
まとめ
今回は、クラウドソーシングでの成功が本当に難しいのか、よくある勘違いを3つのポイントに分けてお伝えしました。
- 最初から稼げると思い込んでしまう
- 高単価案件の受注が絶対に必要
- ブラックな案件が多い
上記のような勘違いをなくせば、クラウドソーシングが難しいと感じることも少なくなります。
最初のうちは単価や条件面で辛抱することもありますが、正しい方法を理解して実績を積むことに集中すれば、段階的に収入は上がっていきます。
長期的な視点を持ち、長く続ける気持ちでチャレンジしてみてください。
コメント
とても分かりやすい説明でした。今後、動画編集で収入を得たいなと考えていますので、参考にさせて頂きます。ありがとうございました。