クラウドソーシングサイトのランサーズで、ネトウヨ(ネット右翼)が案件を募集していたことが発覚し、話題となりました。
いわば、ランサーズを使って世論操作が行われようとしていたということです。
なぜ、この案件が大きな反響を呼び、話題となったのか。
そこにはランサーズと政府に関する、怪しいうわさがあったためです。
今回は、ネトウヨによる案件募集の一部始終について詳しくまとめていきたいと思います。
ネトウヨが募集した印象操作案件
それでは、ネトウヨがランサーズ上に募集した案件に関する情報をチェックしていきたいと思います。
掲載された案件の内容、そして案件を募集した目的を解説していきます。
ネトウヨが募集した印象操作案件
2020年の2月末、ランサーズ上で、ネトウヨによる案件が確認されました。
以下が案件の詳細内容です。
タイトル:「安倍総理のいいところがわかるエピソード」10~30文字
要約文:80~100文字
本文:800文字以上
◆価格:250円(ランサーズ手数料、税込み)
安倍首相のいいところを文章でまとめるという案件です。
合計で1000文字記載するだけで報酬が発生するため、お小遣い稼ぎの感覚でお金を稼ぐことができます。
そのため、気軽に応募しやすい案件であると言えます。
ネトウヨが案件を募集する目的を詳しく解説
ネトウヨがこのような案件をランサーズ上で募集した理由。
それは紛れもなく政府に対する印象操作を行うためです。
この案件も、安倍政権擁護ビジネスの一環だと言えます。
ネトウヨが、ランサーズなどのクラウドソーシングサイトを利用するメリットは、大きく2つ挙げられます。
- 誰でも簡単に仕事を受注できるため、情報を集めやすい
- 低コストで、印象操作に使用する情報を得られる
クラウドソーシングサイトで得られた情報は、TwitterなどのSNSやブログを通じて発信されます。
その情報に新たなネトウヨがコメントをすることにより、世論が形成されていくという仕組みです。
つまり、ネトウヨがランサーズを利用した目的は、低コストで手軽に印象操作をするためであるといえるでしょう。
過去にも政権擁護案件を募集していた?!
ランサーズにこの案件が掲載されたのは、2020年2月のことです。
しかし、クラウドソーシングサイトを利用しての印象操作案件の掲載は、過去にも行われていました。
ランサーズと内閣府の関係性とは?
印象操作案件がここまで大きな関心を集めた理由は、ランサーズの社長が不審な行動を起こしていたためです。
ランサーズと政府の関係性を紐解いていきたいと思います。
ランサーズ社長と安倍総理が会食
2020年2月25日、ランサーズの社長が安倍首相と会食を行っていたことが判明しました。
ランサーズを巡っては2月25日、秋好陽介社長が、他のIT系企業経営者らとともに安倍晋三首相と会食した、と報道各社が「首相動静」で伝えた。
参照:Yahoo!ニュース
会食が行われたという事実と、ランサーズ上に印象操作に関する案件が掲載されたことが重なり、ランサーズが政府に癒着しているのではないかという疑惑が浮かび上がりました。
取引先から内閣府の文字が消される
印象操作案件の掲載に加えて、癒着の疑惑を深める、新たな事実が発覚しました。
それは、ランサーズの主要取引先一覧から、内閣府の文字が削除されていたという事実です。
この事実を受け、ネット上では、
政府との癒着を消そうとしたのではないか?
安倍首相は、きっと印象操作を企んでいるんだ。
など、様々な憶測が飛び交いました。
ここまでが事件の一連の流れとなります。
ランサーズと首相の癒着関係の真相は?
ランサーズと首相の間の癒着関係は、果たして真実なのでしょうか?
結論から申し上げると、答えはNOです。
このような結論に至った理由を、事実を根拠に説明していきたいと思います。
内閣府の文字が削除されたのはフェイクニュースだった
内閣府が主要取引先から削除されたことは事実です。
しかし、削除された時期は2019年の8月末であるということが判明しました。
また、取引が行われたのは、2015年のみで、それ以降の取引は行われていない模様です。
「内閣府」の記載を削除したのは、2019年8月末だった。
ランサーズは、主要取引先としていた「内閣府」との間で直接取引があったのは、2015年にあった「ロゴコンペのみ」だと説明した。
参照:Yahoo!ニュース
そのため、今回の印象操作案件と、内閣府の主要取引先からの削除に関して、関連性はないことが判明しています。
ランサーズ側が内閣府からの依頼を完全否定
一連の報道を受け、ランサーズ側は、内閣府からの癒着に関して、完全否定の立場を取っています。
当社のコーポレートサイト記載の取引先が、該当の政治系記事案件の仕事を暗に依頼しているというような一部ブログメディアでの指摘がありましたが、そのような事実は一切ございません。
参照:Lancers
また、政治の結果を左右するような仕事依頼など、不適切だと判断を受けた案件は運営側が削除を行うように徹底しています。
ここから、政府から個人的な依頼を受けていたということは、事実無根であることが判明しました。
まとめ
今回は、ランサーズにネトウヨが案件を掲載したことについて、一連の流れをまとめてきました。
今回の記事を通じて、皆さんに感じてほしいことは、メディアリテラシーの重要性です。
インターネット上に掲載されている情報が本当に正しいのか、疑う目を持つことが大事であると思います。
時には、真実ではない情報が流れることで、国の政策すらも変えてしまう可能性があります。
高度に発展した情報化社会で、大切なことを想起させるニュースでした。
コメント
ランサーズに関して問題なのは、ネトウヨではなくシステムそのものにあります。
ランサーズでは、コンペなどの仕事で当選が決まると、一定の割合で運営に手数料が入る仕組みになっています。つまり「誰が当選しても同じ収入が得られる」わけです。にも関わらず、ランサーランクというものがあり、ランク上位の者が当選しやすいように工夫されています。さらに、誰も追いつくことができないほどの非常識な実績数を持つランサーの存在があります。これらは運営直属の作業員だと思われます。( たまに、名前が同じ人の提案内容のクセが全く変わってしまうことがあります。おそらく担当者が交代したものと思われます ) ランク上位が当選しやすいシステムとケタ違いの上位ランサーを仕立てることで、手数料だけではなく、当選金ごと丸取りすることも可能となります。
また、ランサーランクのアップ、維持にはかなり厳しい特定の条件があります。それらは普通に作業をしていても実現するのは至難の業です。それで、多くのランサーが行っているのは「自作自演」です。別アカから自分で適当な依頼を出し、自分を当選させるという方法です。この場合、当選金は自分に戻りますが、手数料という「課金」をして実績や評価を水増しすることになります。ランサーズでは「実績・評価は買うことが可能」です。ただし、同じクライアントがいつも同じランサーを当選させているとバレますので、そこは色々と巧みな戦略をとっているようです。何人かのグループで持ち回しでやっている場合もありそうです。自作自演は、見た目の依頼数の増加や手数料収入になりますから、運営はむしろ暗に推奨しているところがあります。
プロならば「当選者の選ばれ方がおかしい」とすぐに気づきます。
これらの姑息な裏工作は「ランサーの質の低下」「仕事上の機会不均等」「労働者への不当な差別」など諸悪の根源となっており、労働基準監督署に調査を依頼してもよいレベルです。